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ユーロ2008ドイツ対トルコ戦で思うこと
diary / 2008年7月28日
6月25日、準決勝第一試合ドイツ対トルコがバーゼル(スイス)で行なわれました。 試合終了直前、ラーム(バイエル・ミュンヘン)が決勝点を決め、ドイツが3対2でトルコに逆転勝ちし決勝進出を決めました。 自分はこの試合を、Stuttgartでパブリック・ビューイングしました。 ドイツ人はもちろんのこと、多くのトルコ人が集まりました。 点数でもわかるとおり、点の取り合いとなりました。トルコが先制し、最後はドイツの逆転勝利でした。 個人的には、トルコがドイツに勝つようなことを期待していましたが、ドイツの底力を見せ付けられてしまいました。 翌日26日、ドイツの新聞SPIEGELで、"Turks and Germans Party Side-by-Side"というタイトルの記事が掲載されました。 トルコ系の青年は試合前、「私はまずトルコを応援するが、ドイツが勝ったとしてもそれも嬉しい」と述べた。 参照記事 - Spiegel - Turks and Germans Party Side-by-Side 一方、このような記事もあります。2008年3月13日の記事です。 "Turks Feel Unwanted in Germany" 半数以上、正確には58%、のドイツ在住のトルコ人が自分たちは必要とされていないと感じていると、いう統計が発表された。 女性に限っては68%がそう感じている。 参照記事 - Spiegel - Turks Feel Unwanted in Germany 観戦した場所は、特にドイツを応援する人、トルコを応援する人というように領域を分けるということはしていなかったと思いまが、それなりに固まってそれぞれの国を応援していたようです。自分はドイツ人に混ざって観戦しました。 日本でさえ、最近サッカースタジアムで乱闘騒ぎがありました。酔っ払ったファン同士の喧嘩などが心配でしたが、セキュリティが見張っていたせいもあると思いますが、乱闘が実際に起こるような事は、少なくとも自分の周りでは、ありませんでした。 しかし、ドイツ人によるトルコ選手またはトルコ人ファンへの誹謗中傷、誹謗中傷の歌は多く見うけられました。とくに自分の隣に居た若いドイツ人集団は、トルコの国歌演奏中に堂々と中指を立てていました。 試合前に掲げられたスローガンには”NO TO RASISM"。 もし、トルコに負けて暴動騒ぎにでもなったら、世界一愚かな民族として笑われたかもしれません。 ちなみに、ドイツには現在およそ270万人のトルコ系の人たちがおり、そのうち約50万人はドイツ人です。 戦後、労働力確保のために多くの移民を受け入れ、それが今となっては自分たちの地位を脅かす存在になってしまったと感じているようです。 その結果が上記の統計結果に表れていると言えるでしょう。 日本の中にいたら決して経験できないことを感じることができたように思います。 ドイツとトルコの国旗を両方振っている人も沢山いました。ふたつの国旗が一緒になった旗を振っている人が印象的でした。 以前、トルコ系のドイツ人の友達に「ドイツかトルコのどっちを応援するの」と聞くと、どちらかひとつを選ぶのは難しいという答えが返ってきました。 | |
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©滞独日記 2008 |